*** 注意! 以下には本誌連載分のネタバレがあります ***
すみません、更新遅れました! 先週は管理人であるTaichiroさんが体調を激しく崩したり、病院行ったりとゴタゴタしてしまっていたのです。(ちなみに彼が「休学中」なのも、実はその関係だったりします。)
そんなわけで、結局更新作業はいずみの一人が担当することになった次第です。
さて、今回もページあたりの情報量が多いわ、複数のエピソードが同時進行してるわで、見所をチェックするのも大変。ぶっちゃけキリが無いので泣く泣く削ったポイントも多いです。
単行本(11巻収録分)の区切りとなる、「決着」のエピソードであるだけのことはあります。
■ ネギ vs タカミチ戦、決着!
前回、「瞬動術+魔法の射手+風障壁」という、カウンター狙いの新必殺技で突撃したネギ。そこへ更に「遅延呪文による魔法の射手」というダメ押しを用意していました。
そんなネギが全身全霊を注いで放った桜花崩拳(「魔法の射手・光の九矢」を乗せた魔力パンチ)ですが、
「タカミチは魔法の射手を2本までレジストできる」
「9本の魔法の射手を二回撃つ」
「(9−2)×2=14で14本通る」
というわかりやすい理屈によってタカミチの魔法障壁を破っています。
(「雷華崩拳」は2本レジストしていたタカミチ。97話)
更に、「魔力パンチ一発のダメージ=魔法の射手一本分」の法則を加味すると計15本分。単純計算で「魔力パンチの15倍」になるダメージを食らわせたことになるでしょう。
ダウン後、朝倉の「死んだ!?」「いえっ まずはカウントを!!」は笑えますね。確認する順番が逆だろう(笑)。
(8ページ目)
タカミチは一度起きあがろうとした後、自ら負けを認めましたが、おそらくタカミチはまだ起きあがることができたと思います。それでも負けを認めたのは、本人が言う通り「20歳以上の年齢差」というハンデの問題も確かにあったでしょう。
しかし、それ以前に彼は(後になってからエヴァが教えてくれますが)「呪文を詠唱できない条件に特化された戦士」であって、「呪文の詠唱が禁じられているルール」では本来断然有利だったハズなのです。
もちろん、決め技の多くを呪文詠唱に頼っているネギにとっては不利なルールなのですから、そのルール上で「一本取られた」時点で、タカミチは充分に「勝負に負けた」と言っていいでしょう。アウェーではなくホームで負けた、ってヤツですね。
また、観客達の気持ちは子供先生を応援する方向に傾いていたため、メール投票においても不利が明らかでした。つまり、タカミチは「勝負」においても「試合」においてもその結果を確信し
ていたのだと思います。
■ クラスメイト達の反応は? (6ページ目)
この茶々丸の嬉しそうな顔! (ついでに)隣の豪徳寺もすっかりネギ先生びいきに。
色々物議をかもしそうなハルナの「スゲー‥ホレそう」発言(でも恋愛感情じゃないだろーな)や、千雨と龍宮のいい笑顔とか、「ネギが勝利する」ことによってクラスメイト達の好感度がグングン上昇していることが分かります。
(二人とも、こんな表情は初めて見せるのでは。9、10ページ目)
(98話)
特に前回、「私に『大丈夫ですよ』とか根拠のないアドバイスしていて」……と腹を立てていた千雨の期待に応えることができたのは重要です。
つまり、ここでネギ自身が立派に勝つ姿を見せることで、(根拠が無いと千雨自身は思い込んでいた)「大丈夫ですよ」という言葉に「根拠」のようなものを感じ
させるようになったのですから。
(もしネギにもう一度「大丈夫ですよ」、と同じことを言われた場合、彼女にとってその言葉はまた別の意味を持ってくることになり
そうです。千雨の、ネギに対する信頼感が深まっていく演出だったと言えるでしょう。)
まぁまだ本人は認めてないわけですが(笑)。
そしてやはり見逃せないのは、メインヒロインである明日菜……なんですが、語ると長くなるので今回は端折る!(えー)
(11ページ目)
まぁ、試合中はネギが心配でたまらなかったアスナさんです。
■ エヴァ様小特集
ネギの師匠であるエヴァ。今回は見所が多いですよ。96話の一番美味しいところを奪っていったキャラクターだけあって、ネギ×タカミチ戦の重要人物はエヴァだったような気もしてきます。
(14ページ目)
エヴァ様照れてます。
言葉の上では叱ってるわけですが……、これがツンデレってやつでしょうか。
(ふみふみ
。15ページ目)
わざわざブーツを脱いでふみふみしてるのが重要な萌えポイントではなかろうかと。某氏がチャット中に
熱弁した、
「ブーツを脱いでネギを痛くしないようにするのと、足の裏でネギの感触を楽しもうとしているに違いない」
という言葉に萌えとエロが集約されていますな。
……っていうかすげー演出細かい!(笑)
(「丸ッ!!」15ページ目)
チャチャゼロって、「麻帆良に来る前のエヴァの性格」を象徴する存在っていう気がします。チャチャゼロがエヴァについてコメントする時っていうのは、彼女
が麻帆良に来てからの性格の変化の落差をツッコむ時なのでしょう。
チャチャゼロはネギま!の世界の中では珍しく残酷なキャラクターですが、過去のエヴァはチャチャゼロと同じくらいには残酷だった、ということが、チャチャゼロのツッコミによって想像できるわけです。
あと、エヴァは96話における「わずかな勇気」のことをネギに直接伝えて評価してやったわけではないですから、ここで「最初の瞬動」について一応ホメてやらないといけなかったんでしょうね、師匠としては。
気付いている人は少ないかもしれませんが、今の髪型は左右に違いがあります。
■
新展開についてチェック
タカミチ戦が終わったばっかりなのに、ラストに新展開が!(笑) この異様な密度の濃さはなんなんでしょう。
(「ちょっとバカなので──」17ページ目)
ちびせつな、いきなりキャラ立ちまくり。チャチャゼロもそうなんですが、こういうマスコットキャラまでちゃんと「立てる」芸の細かさが凄い。
(17ページ目)
龍宮隊長こそ「古菲にもらったダメージは大丈夫ですか?」と聞きたい気もするんですけど、どうも大丈夫っぽいですね。
えーと。タカミチと龍宮といえば、思い出されるのは刹那先生の解説台詞です。
(「完全に反応できるのは龍宮くらいしか‥」97話) タカミチの技に反応できるのは龍宮くらい……。
…………。 タカミチ、ピンチです。 いきなり天敵とブチ当たってます。
っていうかこの台詞って伏線だったんですね(笑)。ビックリだ!
(13ページ目) (96話)
刹那先生といえば、最近は刹那×明日菜がアツいと思うのですが、どうでしょう。(誰に言ってるんだか。)
■ 設定を分析してみよう
では最後に、タカミチ戦で残った細かい疑問点を解決して締めくくることにします。
1.なぜ素数ではなく「九矢」なのか?
(9本の「魔法の射手」 92話)
今まで、ネギま!における「魔法の射手」の本数は1か素数(1,3,11,17,29,199など)に限定されていたハズなのですが、92話から突然素数ではなくなっていることに疑問を覚えた読者も多かったんじゃないでしょうか。
これについては、作者HPのQ&Aで作者回答が出ていました。
本当は素数という設定だったのですが、コナミのゲームで素数以外が出たので、今は何本でも出せることになっています。
どうやらPS2版ソフトの魔法戦闘システムが原作にフィードバックされた結果のようです。うーん、「素数縛り」という設定がいい味を出していたのに、少し残念といえば残念かも。
そこで、「素数じゃなくても関係ない」だとちょっとつまらないので(笑)、ムリヤリ素数に関連づけて解釈してみましょう。
いわゆる「自然数」というのは、結局「素数」か「素数の倍数」かのどっちかしかないわけです。ですから、このネギの「九矢」も実は「3×3=9」ってことなのかもしれません。つまり、3体の精霊召還を3回繰り返したから「9本」になった、と考えてもいいんじゃないでしょうか。
無詠唱で発動させる場合、7体や11体を一度に召還する術式よりも、3体ずつ召還する方が簡単な術式にできそうですしね。
むしろ、ネギはまだ「一矢」しか無詠唱できなくて、「1×9=9」で一体ずつ召還しているという可能性もありそうです。
(確かに「一体ずつ」召還しているネギ。98話)
2.「風精の主」は呪文詠唱ではない?
(無詠唱用発動鍵設定キーワード「風精の主」!! 98話)
前回、ナゾの伏線として放置されていた「風精の主」という言葉。今回でその真意がようやく判明しました。(「夜に咲く花」の方は「遅延呪文」
と呼ばれる魔法の正式名称か何かなんだと思います。)
(「遅延呪文」の初使用シーン。6巻49話)
本来、遅延呪文を発動させる場合は「解放(エーミッタム)」という呪文の詠唱をキーワードにしているのですが、この「解放(エーミッタム)」をネギは無詠唱で唱えられない(あるいは、無詠唱で唱えても意味が無い?)ようです。
(99話1ページ目) (同2ページ目)
そこで注目点となるのは、問題の「風精の主」がフキダシで書かれている……つまりネギが声に出して喋っている、という点
。
武道会ルールでは呪文を声に出して唱えるのは反則行為となりますから、「風精の主」は呪文などではなく、単なるラテン語の合言葉なのでしょう。その合言葉に反応して「解放」するように準備しておいたのが、
無詠唱用発動鍵設定キーワード「風精の主」 ……という無詠唱呪文の真相だったのだと思われます。
ちなみに、以前のweb拍手返信コーナーでも言及していたことなんですけど、この「風精の主」はネギ自身を表すコードネームやIDのようなものではないかと予想して
いました。
「ネギ・スプリングフィールド」→「風属性の魔法を得意とする魔法使い」→「風精の主」
っていう感じのネーミングなんじゃないかと。
余談ですが、この「風精の主(ドミヌス・エアリアーリス)」、ナギの「千の呪文の男(サウザンドマスター)」やエヴァの「人形使い(ドールマスター)」のように、ネギ自身の称号や異名
のつもりで名付けられたんじゃ? とか妄想してたり。
ちなみに“ドミヌス・エアリアーリス(DOMINUS AERIALIS)”を直訳すると「大気の主」(英語だと“エアリアルマスター”)になるようです。
3.結局、タカミチは何歳なのか?
読者の間でも、何歳くらいなのかハッキリしていなかったタカミチですが、これは消去法で30歳(1973年度生まれ)という
結論になりそうです。
というのも、現在のエヴァが中等部三年生であることから逆算すると、「15年前にエヴァは中三から学園に編入した」計算にな
り、タカミチがエヴァと同学年でいられる学年は、その一年間しかなさそうだからなのです。
(それ以外の年だと、「ネギより20歳以上年上」という発言と矛盾する若さになってしまう。)
よって、「15年前にタカミチは中三(15歳)だった=現在30歳」という計算になります。ネギは数え年で10歳ですから、満年齢ではまだ9歳。これ
で「20歳以上年上」「エヴァと同級だった」というふたつの条件を満たします。
この問題は年表を自作して検証していますので、参考にしてみてください。ところでこの年表を見れば分かるんですが、タカミチはしずな先生の一年先輩だったんですねー。
4.タカミチは本当に「呪文詠唱ができない」?
(96話)
その割には「魔法発動体の指輪」?を身に付けているようですし、「自分への魔力供給」や「魔法障壁の展開」はちゃんと行っているタカミチです。
「基本的には呪文詠唱できないが、必死ぶっこいて『戦いの歌』の無詠唱だけはできるようにメチャクチャ頑張った」ってところなんでしょうか。
もしくは、「呪文詠唱を必要としない魔力供給の方法」が存在していて、それを誰かから学んだという可能性もありそうです。
5.タカミチ=努力型
(15ページ目) エヴァはタカミチを「才能に恵まれたお前とは正反対だよ」「死にもの狂いの修業であの力とタフネスを得た」と評し、才能型のネギにも努力を欠かさないように注意していました。
ネギま!は、コメディやったりバトルやったりと、やることが多くて非常に忙しい作品なので、「修業シーンの描写」に割けるページ数が少ない方だと言えます。
直接修業シーンを描写するよりも、台詞で「これこれこういうことを頑張った」と後から補強するケースが多いタイプの漫画です。(その手法自体はバトル漫画として珍しいわけではないですが。)
そこでタカミチという完全努力型のキャラクターを登場させ、主人公のお手本にしているのが今回のエピソードなのですが、そのことによって「本編では直接描かれない修業シーン」の説得力を裏付けているとも言えるでしょう。
決定的なハンデを背負ったタカミチの努力は、生半可なモノではないのだろうな、と読者もイメージしやすいですし。それと同等の努力をしろ、とエヴァは言っているわけです。
それにしてもタカミチ戦は、単に「ネギが一回戦を突破する」だけのエピソードではなく、ちゃんと「タカミチのキャラ立て」のエピソードとしても成立していたのは流石、といったところです
。
■ おまけ 現在、行方不明のクラスメイトの居場所を探ってみることにしましょう。
超一味のうち、超とハカセ(+茶々丸,古菲)は会場内にいることが判明しました。
では、残る「さっちゃん
」こと四葉五月の居場所は?
(90話) 最後に登場したのは、学祭初日のお料理研究会イベントでした。それ以外のシーンでは、クラスの出し物にも姿を見せたことはありません。かといって武道会の会場内にもいない様子。
その居場所のヒントは、麻帆良祭のガイドマップにあります。
(10巻81話)
単行本で確認すると判るのですが、世界樹前広場あたりのポイントに「超包子」の表記が・・・・・・。
ガイドマップに載っているくらいですから、学祭中は連日開いているお店なんでしょうし、料理人である五月がいないと超包子は成り立たないハズ。というわけで、五月は「世界樹前広場で超包子の店番をしている」可能性が高そうです。
相方の超や、給仕の古菲・茶々丸もいないのにどうやって切り盛りしてるんだろう、と思ってしまいますが、お料理研究会の部員が持ち回りで手伝っているのかもしれません
。 でもその売上げって、思いっきり超にピンハネされてるんだろうなぁ(笑)。
このページの目次へ
■ 今日の捕捉
*
「魔法先生ネギま!」が連載スタートした当時を振り返ってみよう (週刊少年Blog!!)
* アキラ萌えまとめ (DOAONLINE /E-DRIVEN-)
* 99話感想とディフォルメ千雨たん (ハルモニア*)
* 99話感想絵 (ハニーキャッシュ)
* 日記絵更新中 (ハチミツヒマワリ)
* 日記絵に色々(※18禁注意) (sangen zoo / 三弦回胴)
■ お勧めリンク
* 赤松健論
: いずみの自身による、赤松作品考察サイトです。今回は、記事中でも紹介した『魔法先生ネギま!』前史年表を更新
しました。物語が始まる前に起きた出来事を、細かく整理してまとめた年表です。
*
〜図書館島の休日〜: 魔法先生ネギま!オンリー同人誌即売会の公式サイトです。開催日は2005年11月20日(日)。
*
バーチャルネット図書委員のどか15歳 : ネギま!で遊ぶは「のどか15歳」さんを応援してるみたいですよ。
|