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ネギま!で読む「ネームの文法」前編〜コマの中を流れる力〜

ネギま!で読む「ネームの文法」後編〜コマの左右の立場〜

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Jun.17 ネギま!で読む「ネームの文法」前編〜コマの中を流れる力〜

 

企画,原案,文いずみの/ 赤松健論
(ニュースのみ:Taichiro)


お久しぶりです、いずみのです。まず前回の記事に関して、Taichiroさんからのメッセージがあります。

どもTaichiroです。前回の雑記は大好評だったようで、色々ありがとうございました。かなり多方面で話題にしてもらったようで、一日で5万アクセス以上ありましたよ! 妹もご満悦ですw 雑記はちょこちょことゲリラ的に更新していく予定なんで、今後もチェックしてもらえれば。 

それと、こんなアクセス過多サイトを月額90円で維持させてくれている「忍者ツールズ」さんにはホント感謝です! 無料版もあるので、これからサイトを作ろうと思う方や、引越しを考えている方には個人的にオススメしておきます。

アレの反響は実際スゴかったですね(笑)。

さて、今週はマガジン本誌の『魔法先生ネギま!』が休載ということで、いつもの各話特集の代わりに、特別記事をアップしようということになりました。

前回はTaichiroさんによるバカネタ企画でしたし、バランスを取るためにも今回は(いずみのによる)グッと本格的な漫画論を語ってみたいと思います。

といっても、基本的には「ネギま!が2倍面白くなる!」というのがこのサイトのコンセプトですので、難しく考えずに、「こういう楽しみ方があるんだなぁ」という程度に読んでやってください。

付け加えて言うと、今回の記事は「ネギま!」だけではなく「漫画そのもの」の話でもあるので、ネギま!以外の漫画を読む時にも参考になるのではないかと思います。ネギま!の読者以外の方にも読んでみてほしいですね。

「ネームが面白い」ってどういうこと?

・ ネーム ・・・ 漫画の設計図のようなもの。「絵コンテ」とも。簡単なコマ割りや絵の構図、台詞などがページごとに指定されており、その指定に基づいて漫画家は漫画を描いていく。漫画家が編集者と打ち合わせする時にも活用される。

漫画業界では「ネームが漫画の面白さを決める」とは良く言われることなのですが、では良いネーム、悪いネームというのにはどういう違いがあるんでしょうか? また、それはどう見分ければいいんでしょうか?

その判断基準には様々な要素があり、読む側のセンスが問われる所だと思います。漫画を読むのがうまい人(編集者や評論家など)、というのは、ネームを読むのがうまい人だとも言えるでしょう。

最近は漫画評論も活発なので、色んな視点から「ネームのうまさ」を分析しようとする論考も存在するくらいです。ひとつひとつ説明すると、本気で何冊もの評論本になってしまうくらいだと思います。

そこで今回は、「コマの中のベクトル」「右、左の描き分け」という要素に絞って、ネームの読み方を前後編で紹介してみたいと思います。これは完全にぼくの持論で、オフ会なんかで披露する「持ちネタ」のひとつなのですが、ネットで公開するのはこれが初めてです。

その持論を、簡単に重要ポイントをピックアップしてみると以下のような感じになります。

* 漫画のページには「右から左へと流れる“視線の力”がある」 (前編)

* 右→左は「速く」、左→右は「遅い」 (前編)

* 右側にいるキャラと左側にいるキャラの違いは? (後編)

* 漫画の会話は「主導権の奪い合い」 (後編)


この前後編の記事では、読み終えた人に「ネームレベルで漫画を読み込む」というワザを身に付け、漫画オタクとして(?)一歩レベルアップしてもらえたら……というのが狙いです。

ネギま!の面白さや、読みやすさを決めているのは、やはり「ネームのうまさ」です。

単純にネギま!の絵やストーリーを追っ掛けるだけでなく、その「ネームのうまさ」を読むことができるようになれば、作品を何倍も楽しく味わうことができるようになるでしょう。(逆に「ヘタな所を指摘して楽しむ」という、ちょっとイヤな読者にもなれますが(笑)。)


漫画のページには「右から左へと流れる“視線の力”がある」

さて、漫画を読む日本人なら全員無意識的に行っていることなのですが、日本の漫画は「右→左」という順番で読んでいくことになります。

それはもちろん、漫画の「台詞」が「左読みの縦書き」で書かれているからです。それに従って、ページをめくるのも「右→左」という順番で進んでいくことになります。

これを単純に映画に喩えた場合、横長にズラーーーーーーーーっと並べられた場面を、カメラで「右→左」の順に映していく形に似ています(映画用語では「カメラを左にナメる」と言う)。横スクロールのアクションゲームにも似てますね。

映画でこういうことをやると、視聴者は「カメラと一緒に横移動している錯覚」を味わうわけですが、漫画でも同様のことが起こります。

つまり漫画を読み進めている内に、読者は「右→左」へと流れていく「視線の力」を錯覚するのです。「実は、読者は横移動しつづけるカメラのようなものなのだ」と考えると解りやすいでしょう。読者が特に意識していなくても、自然とそういう感覚を持って読んでいるハズです。

この「横移動する視線の力」を徐々に加速したり、急ブレーキをかけたりする技術が、漫画表現における「演出」のひとつだと言えます。

「グイグイ続きを読みたくなる」「ハッと絵に集中してページをめくる手が止まる」という現象も、そういった演出による意図的な効果なのです。

それでは実際に、画像を交えながら解説していきます。できれば参考資料として、単行本の8巻と9巻を手元に置きながら読んでもらいたいので、持っている人は用意しておいてください。

「視線の力」を効果的に利用することで、漫画には一定の法則が生まれます。その代表的なもののひとつが、

・ 人や物が勢いよく動く時は、必ず右から移動する

というベクトルの法則です。もしこの法則を破った場合、読者には違和感が生まれてしまいます。具体例を挙げてみましょう。

これは9巻72話の8ページ目の一部ですが、これの一部(上のコマ)を左右反転してみます。するとどうなるでしょうか。

反転前はスムーズに移動していた生徒達が、なんとなく「頑張って走っている」ように見えてこないでしょうか? ランニングマシーンの上を延々走らされているような錯覚も受けるかもしれません。走っている格好をしていますが、なかなか前に進んでいるように見えないのです。

どっちかというと、「人間ではなく、下の地面の方が素早く動いている」ように見えてしまう絵でしょう。でも、反転前はちゃんと「人間」が素早く動いているように見えますね。

絵自体はまったく同じなのに、です。なぜ同じ絵なのに、これほど印象が違ってくるのでしょうか? それは前述した「横移動する視線の力」に秘密があります。

このように、「右→左」の流れにはコマの中の動きを加速するような効果があるのに対して、逆の「左→右」の流れにはコマの中の動きを押し戻すような効果が存在します。これは、読者の視線が「右→左」の順に横移動し、ページをその順番でめくっていく動作と同調しているためです。

この効果を、仮にぼくは「見えない水流」とか「ページ内の風圧」と呼んでいます。川の中を泳ぐ魚のように、ページの中の物体は水流に流されるようにスイスイ進んだり、流れに逆らって一箇所に静止したりすることに似ている、ということが、感覚的に理解してもらえるでしょうか。

うまい漫画家は、この「横移動する視線の力」=「水流」を感覚的に意識しながらネームの構図をイメージしているのです。(それができていないと、変な構図になってしまいます。)

また、「右→左」の動きは読者がスムーズに理解することができますが、逆の動きは読者が理解するのに時間がかかってしまう、という特徴もあります。

 

青矢印:

 コマの中(台詞と絵)を眺める順序

赤矢印:
 絵の動きを理解して追っかける順序

こうして図解すると解りやすいと思うのですが、「右→左」の動きは「台詞と一緒に絵の動きを一気に追える」のに対して、「左→右」の動きは「台詞と絵を一通り眺めてから、改めて絵の動きを追いなおす」という二度手間が必要になります。

「左→右」の動きは効果的に使えば「じっくり観察しないといけない印象的なシーン」を演出することができますが、失敗すると「単なる読みにくい漫画」になってしまいます。

(例えば、フキダシの数が多ければ多いほど「台詞と絵を一通り眺める手間」がかかってしまいますから、それだけコマ全体の動きがフキダシに引きずられることになります。「左→右」の動きを演出したい場合は、フキダシの数を減らすのが模範的な手法だと言えるでしょう。)

こういった理由から、漫画では「コマの中で動いているものは、右から左へと動かす」のが基本原則となっています。ネギま!でも何でもいいんですが、ちょっと適当なアクション漫画をチェックしてみてください。ほとんどの漫画が「右→左」の動きを基本にしているハズです。

右→左は「速く」、左→右は「遅い」

しかし、ここまではまだまだ「基本」です(笑)。この基本原則を応用して、どんな演出が可能なのかを段階的にチェックしていきましょう。例えば、わざと「左→右」の逆方向に動かすことによって生まれる特殊な効果、というのもありうるわけです。

次は、同じく単行本9巻の80話を参考資料にします。コメディや人間ドラマが中心だった9巻で、突然アクションの要素が加わる回です。

・ 注意! ここから先の画像は「漫画の一部分を切り取ったもの」になりますが、できるだけ「一枚絵」としてパッと全体を眺めるのではなく、漫画を読む感覚で「右から順番に」視線を動かして眺めていってください。

 
まず1ページ目のひとコマ目。右向きの飛行船が登場しますが、これは「水流」の逆向きの動きですから、「ゆっくり動いている」ように見えます。飛行船が勢いよく動いてても変ですから、これは自然な演出です。

次に、1ページ目下部のコマ割りです。クラスメイト達は水流に沿って右から左に向かって歩いています。流れ的にスムーズな動きが連続しています。



そして最初の効果音「ゴン」は何かが右側から出現して左側へ消えていった音、次の「ガィン」は右側から出現したものが障害物にぶつかって跳ね返った音、そして「バンッ」はまた別の何かが右→左へと高速移動していることを表しています。

細かく分析していきましょう。「ゴン」のコマの絵を一枚だけ見てみれば、「折れたパイプ」が描かれているだけで、その「パイプを折った何か」がどういう動きをしたのかまでは描かれていません。「パイプを蹴って右上に跳んでいった」のかもしれないのです(というか、元々折れていたパイプがいきなり爆発したようにも見えます)。

また、「ガィン」のコマでは「街頭をヘコませて右上に消える影」が見えるだけなんですが、読者はなんとなく「この影は右側から出現して、柱にぶつかって跳ね返ったんだな」ということが理解できます。でもその過程はやはり描かれていません。

「バンッ」のコマは比較的ストレートな描き方をしていて、パッと見ても「右→左」の動きをしていることが理解できます。非常に素早い動きをイメージさせる構図です。

この、「実際に描かれていなくても、なんとなく動いている方向が理解できる」というのも「水流」が生む効果なのだと思ってください。

漫画のコマの中に描かれる物体は、基本的に「左に向かって流れる力」の影響を受け、左向きに移動したり、左側にある障害物にぶつかって跳ね返ったりするように見えるのです。

最後のコマは「手前→奥」の動きが描かれていますから、ここまで加速してきた「右→左」の勢いを一旦緩和していることになります。そしてここからページをめくって表れるのが……、

この見開きなのですが、ここの1コマ目では「左→右」と、反対方向にキャラクター達をジャンプさせることで、フワリとした浮遊感を出し、映画でいう「スローモーション」的な効果を出していることが分かるでしょうか。

これが前述した、「じっくり観察しないといけない印象的なシーン」を演出した成功例だと言えるでしょう。自然と、読者はコマの中の時間がスローモーになったような錯覚を覚えます。

その後(2,4コマ目)では再び「右→左」の動きに戻り、スピード感を改めて加速しなおしているのも自然な演出です。

更に次のページでは、また方向が逆になります。

(4ページ目)

これは、見ての通り「敵の動きに邪魔されてスピードが鈍くなる表現」をしていることになります。つまり、「見えない水流」の押し戻してくる力が「邪魔する敵」の形を借りて絵に描かれていると言ってもいいでしょう。

この「押し戻してくる力=水流」を強引に突破することによって、キャラクターの力強さのようなものが読者に伝わるようにもなっています。

これも試しに左右反転させてみましょう。なんとなく頼りないアクションになりました。キャラクター(=水流の方向)を突破していった敵の方がむしろ強そうにも見えます


その次のページと、次の次のページは「左側から接近してくる敵を、右側から攻撃してやっつける」という基本に戻っています。その方がスピーディに読めるからです。

(「右→左」の攻撃。6ページ目)

飛んで9ページ目の「ヒキ」となるコマ。敵サイドは左側から、主人公サイドは右側から移動しています。

ついで10ページ目のアクションですが、下図を参照してください。上のコマでは「左→右」の静的な動きを描いて「浮遊感とスローモーション効果」を演出している(最初の見開き絵と同じですね)のに対し、下のコマでは「右→左」の動的なスピーディさを表現していることになります。

(左→右。スローモー)

(右→左。スピーディ)

なんとなくですが、上のコマは2秒くらい?の時間が経っていますが、下のコマで描かれている時間は0.5秒?といったところ。

この二種類のコマは、頭の中で「見えない水流」をイメージしながら読むと、より一層キレイな動きに見えると思います。

また、上のコマでは「動線(効果線)」が使用されていませんが、下のコマでは動線で勢いを付けているのも、「水流によって生まれる効果」をうまく利用している証拠です。この二種類の絵を、もし構図の左右を反転させたり、動線の使い方を逆にしてしまった場合、上のコマは「なんとなく速く」、下のコマは「なんとなく遅く」見えてしまうハズです。それでは演出が矛盾したことになります。

11ページ目ではネギのアクションが描かれていますが、ネギは逆に「右→左」のスピーディな動きをしてから、「左→右」のスローモーション的なアクションに繋いでいます。順番が逆なだけで、やっていることは10ページ目と同じです。

(右→左)

(障害物で反動を付け、左→右)

……というように、漫画のアクションには、こういう一定の法則があることが解るんではないかと思います。また、面白いのが、12ページ目のひとコマです。

この「え」「お」というコマは、「左側で待ちかまえていた相手に向かって、突進しようとしたキャラクターが立ち止まる」というアクションを描いたものですが、どちらのキャラクターも同じようなポーズを取っており、背景も左右対称で、動線も一切ありません。足元のエフェクトの描かれ方も、大きさがちょっと違うだけで大体同じです。

つまり、一枚絵としてのレベルでは、この二人のキャラクターは特に描き分けがされていない、と言ってもいいでしょう。

では、このコマだけ左右反転してみます。

こうすると、「右側から出現した男に対して、左側のキャラクターが後ずさっている」絵に変化してしまったことが分かるでしょうか?

しかし見ての通り、絵の構図自体は全く変化していません。ただ、レイアウトの左右が違う、というだけでこういう「変化」を生み出せるのが「ネームの文法」というものであり、日本の漫画の特徴なんですね。

この「ネームの文法」をうまく操れるか操れないかで、漫画の面白さ(の一部分)は決定してしまいます。

ここまでの内容を整理してみましょう。いちいち「右→左の動き」、などと書くのも面倒なので、左向きの動きを「順流」、右向きの動きを「逆流」と呼ぶことにしましょうか。

・ 順流 ・・・ 速い、鋭い、軽快、動的、勢いがある、流れに沿った動き、スムーズ

・ 逆流 ・・・ 遅い、鈍い、重厚、静的、弱い or 力強い、流れに逆らった動き、ラフ

順流は逆流よりも「強く、速く」見えるのが基本(※応用による変化あり)

順流に動くか、逆流に動くかということには、これだけの「意味」が内包されていると考えられるわけです。詳しく書くとキリが無いので割愛しますが、まだまだ特別な意味が隠されています。漫画って複雑です。

ひとつだけ、逆流の要素として「弱い or 力強い」と挙げた、細かい演出の違いを解説しておきましょう。逆流の動きは「水流に押し戻される動き」であるため、基本的には粗雑な、ゆっくりとした動きに見えてしまいます。

(8巻70話 ※左右反転)

これは小太郎の気弾攻撃をわざと反転させて逆流に直したものなのですが、漫画としてページをめくりながら読むと、やはりどこかトロくて弱々しい感じになってしまっています。

(8巻70話)

一方、こっちはヘルマン卿の悪魔パンチ(反転無し)。逆流ですが、豪快でスピード感のあるアクションになっています。この違いはどこから生まれるんでしょうか?(絵自体の迫力が違う、という点は置いておいて)

答えを先に言ってしまうと、「アクションの結果が描かれているかどうか」の違いです。小太郎の攻撃はまだ何にも当たっていないので「強いのか弱いのか良く分からない」のですが、ヘルマン卿の攻撃はコマの端まで届いてその威力を発揮するところまで描かれています。

つまり前者は「水流に押し戻されつつある途中経過」を描いたカットであるのに対して、後者は「水流を既に突き破って目標に到達した結果」を描いたカットなのです。そうすることで「水流を突き破るほど力強い攻撃だったんだな」、という感覚を読者に与えられるわけですね。

(8巻70話)

全体的に、ヘルマン卿の攻撃は「コマの端まで突き破る」ように描かれ、威圧感が強調されています。これがもし「コマの端の手前で止まる」ように描かれていた場合、「逆流」効果によって威圧感も低下するハズです。

(※右端をトリミング)

更に面白い実験をしてみましょう。小太郎の気弾の右端をトリミングして、「コマの手前で止まる」カットをムリヤリ「コマの端まで突き破る」カットに修正してみました。少しだけ迫力やスピード感が増した気がしませんか?

次の画像も、9巻80話6ページ目のひとコマ(ネギが敵に向かって「魔法の射手」を撃ったシーン)を、実際に左右反転させてみた具体例です。上が反転前、下が反転後。

この絵は「対象に命中する手前で止まる」動きを描いたものですが、上のコマは「直後にこのまま命中しそう」な勢いが予感されるのに対して、下のコマは「ゆっくりしてて、避けられそう」な遅さが少しだけ加わります。

また、視点を変えて見てみましょう。この「敵」が左側(=進行方向が逆流)に描かれている場合は「反応が鈍くて、命中するまで動かなさそう」に見えるのに対して、右側(=進行方向が順流)に描かれた途端に「素早く反応して避けそう」に見える、という印象の違いも発見できます。

順流は逆流よりも「強く、速く」見えるという法則がここでも働いていることが解ります。

仮に命中した場合のことを予想しても、上の光線が「鋭い感じ」、下の光線が「重い感じ」という微妙なニュアンスの違いが生まれるのも面白いところです。


あとがき

「前編」を締めくくる前に、大事なことを注意しておきます。今回は、画像サイズの都合上、コマのひとつひとつを部分的に切り取って「流れの力」を説明していきましたが、本来、漫画とは「コマとコマの間の繋がり」こそが一番大事とされています。

例えば、順流のコマを連続させて流れの勢いを加速した直後に、逆流のコマをいきなり置いて迫力を出す……といった、漫画全体の「コマとコマのコンビネーション」に注目した方が面白いんですね。

さすがにそこまでは詳しくネットで説明しきれないので、実際に色々な漫画を読んでみて、コマ割りの妙を発見していただけたら、と思います。

さて、「前編〜コマの中を流れる力〜」は以上です。ネームをレイアウトという視点から読む面白さが少しでも理解していただけたでしょうか? それとは別に、もし漫画家志望者さんの参考になったりするとかなり嬉しいですね。

勢いとスピード感のある構図勢いは無いけど印象的な構図、などを見分けられるようになったら、漫画オタクとして(?)上々だと思います。

次回は、「後編〜コマの左右の立場〜」を、間を置かず更新する予定です。お楽しみに。

 

この記事は、参考文献として『マンガの読み方』の一部(特に夏目房之介氏による記事)を参照しています。内容的に被った部分はありませんが、押さえる必要のある基礎教養、ということで。

 ※web拍手返信コーナー
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Jun.19 ネギま!で読むネームの文法」後編〜コマの左右の立場〜

 

企画,原案,文いずみの/ 赤松健論
(ニュースのみ:Taichiro)
 

・ このサイトを初めて読む、という方は、必ず前編を読んでから後編に進んでください。

再び登場のいずみのです。前編はなかなかの好評をいただき、大変喜んでおります。

web拍手の回数も、232/dayを記録。これは普段の各話特集並の反応ですし、こんな変化球の記事でもいつも通り楽しんでもらえたのだなぁ……、と一安心しております。

では、「コマの中のベクトル」「右、左の描き分け」という要素に絞った、ネームの読み方を紹介する記事の後編をお送りしたいと思います。

その前に、ちょっと補足説明を。この記事ではネギま!を参考にして解説していますが、かといってネギま!の作者が、ここで書かれているような理論に基づいて漫画を描いているわけではない、と思います。

感性やノリ、作者自身の独自の方法論で描いた結果、この記事の理論で説明できる構図になっただけ、というのが正解でしょう。(それは逆説的に、作者のセンスの良さを証明するものでもありますが。)

漫画というものは、あまりロジカルに考えすぎると小さくまとまったものになってしまいますから、むしろ理論的に説明できないことをノリ重視で試した時の方が面白くなることが結構あるものです。

それにこの記事では「右と左」の違いのみに注目していますが、漫画には「手前と奥」、「上と下」などの使い分けが存在することも忘れてはいけません。

そもそも、普通「ネーム」と言えば全体の台詞回しコマ割りのページ配分のことを指していて、レイアウトや構図なんかは割と二の次なんですね。

ですので、この記事は、あくまで「ネームの面白さ」のごく一部分のみを切り取って説明したものなんだ、ということを念頭に置いて読むことをオススメしておきます。

ちょっと説教臭い前置きになってしまいましたが(笑)、では改めて、後編を始めましょう。


右側にいるキャラと左側にいるキャラの違いは?

……さて、実は前編で書いてきたことも、まだ漫画における「基本」だったりします。

ああいった「文法」が存在することを踏まえた上で、更にもう一歩踏み込んだ演出がありうることを説明したいと思います。それこそが、この前後編本来の「キモ」だと言ってもいいでしょう。

前編では「漫画のページの中には右から左へと流れる視線の力が存在する」ということを説明しましたが、それによって表現できることは、「順流は速い」とか「逆流は遅い」とかいったアクションの要素だけではありません

もっと高度な、ドラマ的な表現も可能なのです。結論から先に述べてしまいましょう。


キャラクターがコマの右側に立っているか、左側に立っているかを区別するだけで、そのコマにおける「視点」や「主導権を握った人物」を表現することができる


……ということが言えるのです。

右側に立って左を向き、順流のベクトルを持ったキャラクターは「読者の視線」に同調していると言えます。

逆に、左側に立って右を向き、逆流のベクトルを持ったキャラクターは「読者の視線」と真っ向から対峙していると言えるでしょう。

(9巻80話より。「読者の視点」に近いのは?)

更に言えば、コマを眺めようとした読者が一番最初に注目するのは、当然右側に位置しているキャラクターです。そして、左側に位置するキャラクターは二番目以降に見ることになります。

まず読者が(主観的に)感情移入する対象は右側のキャラクターであり、そのキャラクターの視線を通して、「客観的な相手」である左側のキャラクターを認識する、という仕組みが漫画の中には存在します。(基本的には、ですが。)

と同時に、「順流の方が強く、速い」という法則と合わさって、「右側が左側を支配する」という優劣関係も生まれます。風向きでいう「風上」が「風下」に影響を与えるような関係に似ていますね。

例えば、8巻のヘルマン戦を見てみましょう。ほとんどの戦いの間、ネギと小太郎は右側、ヘルマン卿は反対の左側という構図で戦っています。

 

 

 

アクション自体は、どちらの側も「強く、速い」攻撃を交互に仕掛けていますから、別にヘルマン卿が右側から攻撃したっていいハズですよね。しかし、ネギ達は常に右側に描かれ、その位置関係を守っています。

こうして構図を一定にすることによって、「敵に立ち向かう主人公達」と「倒されるべき敵」を描き分けている、ということなんですが、これはバトル漫画業界(?)では基本中の基本といえる手法になっています。

もしこの構図を逆転させた場合、読者の視点が逆になってしまうからです。

ただ、この「基本中の基本」には例外が存在します。主人公側が戦いの主導権を失ったり、戦う意志を喪失してしまうと「右側から左側に移される」という法則もあるのです。

(細かい応用技として、「主人公が正気を失って暴走し、仲間達に襲いかかる」シーンなんかでも主人公は左側に移動します。その場合、仲間達の視点で読者は漫画を読むわけです。)

同じく8巻に具体例があります。ヘルマン卿と小太郎が初接触した時の戦闘より。

(8巻68話)

この時、記憶の混乱によって意識がはっきりしていない小太郎は「戦う意志」をしっかりと持っておらず、戦いの主導権もヘルマン卿に握られている状態にあります。

その後、小太郎は「左:自分」、「右:ヘルマン卿」の位置関係を維持したまま戦おうとしますが、あえなく殴り飛ばされます。

右側が左側を支配する」という法則にならった展開になっていると言えるでしょう。立場上、小太郎は「劣位」に立たされていることになります。



(逆転1。右側に移動する小太郎)

しかし殴り飛ばされたついでに左右が逆転、ちょうど殴り飛ばされている間に小太郎が「戦う意志」を取り戻す演出が入り、本調子になったところで反撃を開始します。

その士気の高さに相手が驚く、という演出も挿入され、少しだけ小太郎が「優位」に立ったことが表現されています。

その後、うまく一撃を入れることに成功するのですが、なぜかこの時にまた左右が入れ替わっている点に注目してください。

(逆転2。なぜか左側に戻る小太郎)

実はこの攻撃は決定打にはなっておらず、直後に再び小太郎が主導権を失うことの前兆になっています。

(結局は主導権を失う=左側に戻される)

この二種類の戦いを見比べることで、漫画では


・ 読者の視点はどちらにあるか?

・ 主導権を握っているのはどちらか?


……などをわかりやすく描くために、複雑に左右の位置関係が使い分けられていることが理解できるのではないでしょうか。


漫画の会話は「主導権の奪い合い」

左右の位置関係の違いから考えられそうな要素を列挙してみましょう。


右側 ・・・ 読者の主観、場の支配者、活発、優位(上手に立つ)、明解

左側 ・・・ 客観的対象、被支配者、受け身、劣位(下手に出る)、不気味

応用1 ・・・ 左側の人物を迫力を出して描くことで、「強大さ」や「威圧感」などを強調できる (※この場合、「被支配者」や「劣位」の要素は相殺される)

応用2 ・・・ それまでのストーリーで主人公格として描かれていたキャラクターを、わざと左側に持ってくることで、「読者視点なのに受け身」といった「合わせ技」の演出が可能になる


応用1」のケースは、「ネギ&小太郎×ヘルマン卿」戦の時のヘルマン卿が該当します。

(「客観+優位」な左側)

そして「応用2」のケースは「小太郎×ヘルマン卿」戦における小太郎が具体例として挙げられるでしょう。(この時点の小太郎はレギュラー化しているので読者の視点に近いのですが、ヘルマン卿はまだ自己紹介すらしていない「新キャラ」なので、読者が感情移入しにくい対象です。)

(「主観+劣位」な左側)

他にも様々な応用がいくらでも考えられます。漫画家の工夫のしどころです。

しかし、あえて単純に言ってしまえば、コマの中で人物同士の左右が入れ替わるということは、「視点の変更」「主導権の奪い合い」というふたつの要素に集約できると思います。

これはアクションだけでなく、日常的な会話が行われるコメディのシーンなどでも同様です。(ボケとツッコミの関係などは、そのままバトルと置き換えて考えることもできるでしょう。)

「会話の主導権」を奪い、立場上優位に立とうとするキャラクターが次々と入れ替わったり、あえて相手に優位な立場をゆずってあげたりもするのが、漫画における会話シーンの面白さです。

ネギま!のコメディシーンは同時に10人近いキャラクターが会話することもあるため、かなり騒がしい「主導権の奪い合い」を楽しむことができます。

逆に単行本2巻のいいんちょ回(14話)なんかは人数も少なく、シンプルな立ち位置を理解しやすいので深読みにオススメです。これを実際に見ていきましょう。

(2巻14話)

回想シーンの中で、一応相手を立て、左側=下手に出てあげるいいんちょ。しかし……、

下手に出てやったことが裏切られたため、右側へ「逆転」して主導権を奪い取ろうとします。この後も、明日菜といいんちょは目まぐるしく立場が逆転しつづけます。
 
1.明日菜を無視して、マイペースを貫こうとするいいんちょ。「右側」の立ち位置が2コマ続く。(コメディとしては右側がボケ、左側がツッコミ。)

 ↓

 


2.明日菜に会話の腰を折られ、主導権を奪われかける。(※手前に大きく描かれているため、読者の視点はいいんちょのまま固定。)

 ↓

 
3.すかさず自分のペースを取り戻そうとする。(この後、いいんちょは3コマに渡って右側を陣取る。)

 ↓

 
4.また明日菜に邪魔される。(※奥に小さく描かれてしまったため、主導権を完全に失う。この後、いいんちょは3コマに渡って左側に甘んじている。)

 ↓

 
5.(明日菜がいなくなったスキをついて)右側を取り戻し、再度マイペースに入ろうとする。

 ↓ 

 
6.しかし、「主人公を立てて」左側=下手に落ち着くことに満足する。

 ↓


7.でも結局我慢しきれず(笑)、アグレッシブな行動を取ってしまう。立ち位置はもちろん右側。「場」を支配。

 ↓

 
8.右側から再登場した明日菜に蹴りとばされ、左側に強制移動。場の支配権を失う。

 ↓


9.そして「主導権の奪い合い」が再勃発。

 ↓

 
 

10.最終的には、明日菜が「相手に立場をゆずって」、「左側から」立ち去る。

この14話は、全ページを通して、どのコマにおいても「キャラクターの立場」と「コマ内の立場」が矛盾せずに一致している、見事なエピソードだと言えます。

だからといって「ストーリー自体が面白いか」どうかは(構図以上に、台詞回しなどの方が大事なので)別問題なんですが、読者がキャラクターの立場を理解しやすく描かれている、ということですね。


(同人誌『魔法先生ネギま!ネーム&註釈集』より)

ちなみにこれは、本人の同人誌に収録されている赤松健の原ネーム。漫画の構図は、漫画家の手によってこういう風に設計されていることが分かります。

これはいいんちょがネギを抱きしめるシーンですが、実は原ネームだと左右が逆だったりするのです。

しかし完成原稿では直されてますから、演出と矛盾したネームは後からちゃんと改善している、ということが解る実例にもなっています。こういう推敲の作業を「ネームを練る」と言うのでしょうね。

……大雑把に言って、「ネームがうまい」とは、このように「実際のキャラの立ち位置」と「構図的な立ち位置」をシンクロさせて描くことができるということだ、と言ってもいいでしょう。


漫画の文法」と「日本語の文法」

ここまで説明してきたことを、更に単純化して整理してみたいと思います。

漫画に描かれていることを、日本語の文章に翻訳するというゲームをしてみます。日本語に「文法」が存在するように、漫画にも「文法」が存在することを証明してみよう! という実験ですね。

ここでポイントとなるのは、


右側 ・・・ 主語

・ 左側 ・・・ 修飾語(目的語)


である、という点です。これだけでは意味が解らないと思うので、実際にやってみましょう。

下図は、主人公の回想において、主人公の父親が悪魔から恐れられるほどに強い存在である、ということを表現したシーンです。

(8巻66話)

フキダシの中には「ドチラガ 化ケ物カ ワカランナ‥‥」という、畏怖の念と皮肉を込めた台詞が書かれています。では、これを最初から最後まで「文章に翻訳」してみると……。


1コマ目:
 「父親が(主語)」「悪魔の首を(目的語)」「持ち上げた(述語)」

2コマ目:
 「ヒロインが(主語)」「主人公と一緒に(修飾語)」「静観している(述語)」

3〜5コマ目:
 「父親が(主語)」「悪魔の皮肉を(目的語)」「黙って聞き流す(述語)」

6コマ目:
 「父親が(主語)」「悪魔の首を(目的語)」「握り潰す(述語)」


おそらく、このページはこんな風な文章に「翻訳」することができるハズです(大体イメージは合ってますよね?)。

……さて、例によって、2コマ目以外のコマを全て左右反転させてから、もう一度読んでみましょう。すると興味深い変化が発生します。

(※左右反転後)


1コマ目:

 「悪魔が(主語)」「父親に(修飾語)」「首を持ち上げられる(述語)」

2コマ目:
 「ヒロインが(主語)」「主人公と一緒に(修飾語)」「静観している(述語)」

3〜5コマ目:
 「恐怖した悪魔が(主語)」「父親を(目的語)」「皮肉って笑う(述語)」

6コマ目:
 「悪魔が(主語)」「無言の父親に(修飾語)」「首を握り潰される(述語)」


……どうでしょうか? 漫画を読んだ時と、そこそこ同じイメージを文章化できていると思います。

このふたつを読み比べてみると、反転前は

「父親の視点で、(自分を化け物扱いする)悪魔にトドメをさす」

という構図になっており、読者は「父親の視点を通して、皮肉を浴びせられる彼の心境に同調しながら」読むことになります。(2コマ目では、その姿を眺めるヒロインと主人公の視点にも同調します。)

それに対し、反転後は

「悪魔の視点で、父親の化け物じみた強さに恐怖し、トドメをさされる」

……という、一人称が入れ替わったシーンに変貌していることが分かるのではないでしょうか。

反転後では、悪魔の視点を通すことで、「父親の不気味な強さ」や「しかし人間味のあるリアクション」などを、客観的に観察することになります。悪魔とヒロインと主人公の三名は全員同じ方向を見ているカタチになりますから、ここでの父親は全員から「見られる対象」となり、その「異質な存在感」と「孤独」が強調されています。

また、「左側は劣位」の法則が同時に働くことで、5コマ目で皮肉に耐えて押し黙っている父親の表情が少し痛々しく見えてくる、という効果も生まれ、読者の同情を誘ったりもするでしょう。

この反転前と反転後、どちらがいいネームなのかは、作者や編集者がセンスによって判断することになります。どっちかというと、ぼくは反転させた方が面白くなるかな……と感じて実験してみたわけですが、それは好みの問題ですね。(主人公の父親を悪役っぽく描きすぎるのも問題なので。)

日本語の文章(小説など)が文章の主語と目的語を入れ替えることによって読者に与える印象を複雑にコントロールしているように、漫画もまた、構図の左右を入れ替えることによって実に微妙な表現が可能なのだ、ということがご理解いただけたでしょうか。

(左右反転の一例)

前編で取り上げた、「反転させると避けられそうに見える」という現象のカラクリも、これで説明がついてしまいます。

そう、反転前は「光線が(主語)」「敵に(目的語)」「当たろうとしている(述語)」という文章になり、主役はあくまで「光線」、「敵」はその目標にすぎないのです。

しかし反転後は「敵が(主語)」「光線を(目的語)」「避けようとしている(述語)」という文章に変化してしまいます。ここの主役は「敵」ですから、されるがままではなく、能動的に「避けそうに見える」のです。

ネギま!以外の作品で実例を出してみましょう。例えば、赤松健の前作『ラブひな』の場合ですが、初期のラブひなの主人公はほとんどコマの左側に位置しています。そうすることで、「ヒロイン達に対して受け身で、されるがままの情けない主人公」という、ちょっと美味しい役所を表現していたわけです。

  
(『ラブひな』1巻より。読者は主人公に感情移入するが、立場は劣位。)

しかし物語が進むにつれて、主人公はコマの右側に立つことが多くなります。その頃の主人公は能動的なキャラクターに成長し、ヒロイン達に対して優位な立場に立っているからです。

 
(『ラブひな』6,8巻より。主人公が優位、ヒロインが劣位)

漫画とは、こういう細かな演出の積み重ねでドラマを表現しているのです。この視点を用いて漫画を読んだ場合、また違った楽しみと、深い理解が生まれるのではないかと思います。

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